【事例紹介】マーケティング視点の課題解決力を育む総合的な学習 後期

2023年5月から島田市にある島田第一中学校で、総合的な学習の企画・支援を行っています。前期はアイディア出しを、後期はそれを実現に近づけるためにターゲットにインタビューをしたり、試作品の作成をしたりしています。11月中旬の最終発表で市の職員の方や市内の事業者の方がうなるような提案を目指して、発表の準備をしています。

今回の実習先

学校名:島田市立島田第一中学校

協力団体:ふじさんグローバルデザインセンター株式会社、KADODEOOIGAWA株式会社

   島田市観光課、博物館課、島田市観光協会

 

目次

実習のテーマ

  • 島一中観光戦略プラン2023を考えよう

  ~蓬莱橋や川越遺跡の来場者数を増やすモノやイベントを企画・試作し提案しよう~

実習の流れ

(前期:5月~7月)

  • 島田市の観光地の良さと課題を調べる。
  • 誰にどんな手立てを打つべきか考える。
  • 友達や市役所、企業の方を相手にアイディアを紹介し、助言をもらって修正する。
  • 9月からのグループ提案に備えて、アイディアを整理する。

(後期:9月~11月)

  • 前期に考えた島田市の観光地の来場者を増やすアイディアをグループで練り直す。
  • グループで考えたことをインタビューやアンケートで検証する。
  • 来場者を増やすイベントやモノを試作する。
  • 最終発表にて、ポスターセッション形式で今までに考えたことを発表する。

後期の活動で工夫した点

  • 前期の活動で拡散的にアイディアを広げていたので、そのアイディアたちがよりターゲットに刺さるように、想定しているターゲットにインタビューやアンケートを行いました。(中学生の子をもつ親→自分や友達の親に聞いてみる等)

※画像は授業内のワークシートの一部

  • 提案を聞いた人がイメージをもちやすいように、試作品を作成した。

例1:おしまちゃんを広めるためにソフトクリームのコーン入れをデザインしたよ!

例2:蓬莱橋で緑茶の足湯が体験できる場所をつくったよ!(ミニチュア模型)

例3:蓬莱橋に風車をかざり、着物にもっと映える場所にするための風車をつくったよ!

 

よかったこと

  • 教員だけで35人の生徒たちに個別に声をかけ、ファシリテーションすることは難しいため、探究スタッフが参加し、ファシリテーションの数を増やすことができたこと。

   (生徒にイラストを示しながら新しいアイディアをうながす探究スタッフの竹内)

  • ターゲットを一方的な見方で彼らの考えを想像するのではなく、直接インタビューして形成的にアイディアを練れたこと。また、数人のインタビューの後、定量的に確からしいか検証するため、Googleフォームを用いたアンケートを行うことで、根拠をデータで示せる班があったこと。
  • 紙に考えを書くだけではなく、実際に実現に向けて生徒自身が試作に取り組み、ユニークなアイディアを実体化できたこと。また、「これって本当につくるのは厳しいかもね」や「意外とお金かけずにできるかもね」など実現性を検証できたこと。

11月の最終発表会に向けて

最終発表会では今まで協力してきてくださった各団体の代表者の方や保護者の方、他の班の友達に向けて、考えてきたプランを発表します。

自分たちが考えてきたプランを相手に理解してもらい、うなってもらうために、以下の3つのポイントに気を付けてポスターの作成に取り組みます。

わかりやすい

  • 詳しく理由が述べられていたり、データが示されていたりと理解しやすい。
  • 文字に強弱があり、何を伝えたいかパッと伝わる。
  • 必要なイラストや写真が示されており、イメージしやすい。  など

ユニーク

  • 他の班にない、もしくは今までにないモノ(コト)であり、独創性がある。
  • 収集したデータや、今までの経験から導き出す考えが、常識にとらわれていない。 など

説得力・実現性がある

  • 実際にそのモノ(コト)が実現できるイメージがわく。
  • 試作が実際の活動でも必ず必要になるものである。
  • 来場者が増える仕組みに抜け落ちがない。
  • 中学生が本当に活動に参加していこうとする熱意が伝わってくる  など

参加者のコメント抜粋

生徒からのコメント

  • 今までこういう活動をすると、アイディアをとにかく出すっていう活動が多かった印象だけど、アンケートをとって確かめているから、しっかりできているなと思う。
  • 試作がみんないろんなことをやっているのがおもしろい。Googleサイトを使ってイベントのHPを作っている人もいれば、ミニチュア模型を作っている人もいる。本当に存在しそうな気がしてワクワクする。

学校からのコメント

意外とアイディアが同じだなと思う班が少ないです。今まで自分たちの足をつかって調べてきたことをまとめる段階になり、生徒たちの熱を感じます。試作を家で作ってきたり、ポスターを班員が顔を突き合わせて作成するところを見るとそう感じます。次回、発表なので、はきはきと発表することを期待したいです。

探究スタッフからのコメント

「蓬莱橋をネオンで飾り付けて映える景色をつくる!」というアイディアを2つの班が持っていて、一見すると同じように感じましたが、設定しているターゲットが異なっており、その結果「和風なネオン」と「近未来のネオン」という2つのプランができあがっていました。ターゲットを深堀した活動があったから、このような違いが生まれたのかもなと思いました。

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