【事例紹介】探究学習はお金を稼げる⁉ 総合的な探究学習 オリエンテーション

2024年4月から島田市にある島田樟誠高等学校で、1年間を通じて総合的な探究学習の時間の企画・支援を行っています。4月5月は探究学習のやり方を短時間で学習していきます。そして、6月からの企業から与えられるビジネスミッションに取り組めるよう、探究の力を高めていきます。

今回の実習先

学校名:島田学園島田樟誠高等学校 

目次

実習のテーマ

  • 夢実現プロジェクト

  ~探究学習のやり方を覚えて、実践してみよう~

実習の流れ

(4月~5月)探究練習

  • 簡単なカードゲームを通して、チーム内でコミュニケーションをとる大切さを実感する。
  • 身近な課題解決のテーマ「来年度の入学者数を増やすには?」を設定し、2時間程度で先生方に提案を行い、探究学習の4ステップを味わう。

(6月~11月)ビジネスミッション

  • 5者からのビジネスミッションに対して、各クラス1つを選択し、取り組む。
  • 中間発表、最終発表にて、社員さんたちに今までに考えたことを発表する。

(12月~3月)自分探究

  • 11月までに学んだ探究学習の進め方を生かして、自分が興味のある職業や業種の分野について探究を学習を進める。

オリエンテーションの様子

テーマ

未来を切り開く力は探究学習にあり

生徒が将来社会に出た時に、どのような職業についたとしても役に立つ力を「探究学習」で身につけることができる。そういったメッセージをオリエンテーションを通して伝えました。

内容 

  • お金を稼ぐためには誰かの「困っていることを解決すること」が大切。
    例:砂漠でのどが乾いている人は、ただの水を1000円で買ってくれる。
  • 「困っていることを解決する」その力のことを課題解決能力と呼ぶ。
  • 課題解決能力を養うためには、「探究学習」という学習方法が効果的。
  • 探究学習では4つのステップを踏む。
    ※生徒の実態や今後取り組む課題に合わせ、島田樟誠高校オリジナルの4ステップの表現にしています。

1 問いを立てる
2 調査する
3 解決策を試す
4 振り返る

 

 上記の内容を説明したあと、簡単なワークショップに取り組んでもらいました。

ワークショップ:新メニューを考えよう

舞台は島田市にあるバイパス近くのカフェで、朝の通勤の時間、バイパスの渋滞前に寄ってくれるお客さんに対して「新メニューを考えよう」という課題です。

この課題に取り組むときに一番やってはいけないことがあります。それは

いきなりメニューを考え出すことです。

なぜなら、お金を払ってくれる存在であるお客さんのことを十分わかっていないにも関わらず、「きっと買ってくれるだろう」と思い込んで、商品を売り出してしまうと、それが売れるかどうかはギャンブルになってしまうからです。

だから、最初にやらないといけないことは「問いを立てる」ことです。
そして、その問いとは、「お客さんはいったいどんなことに困っているのだろうか」という問いにするべきです。その困りごとを解決できる商品を売り出すから、購買につながるのです。

ということで、問いを解決するために、お客さんにインタビューを行ったとして、例えば次のような回答が得られたら、どのような商品を提案するべきでしょうか?

主張をまとめると、

  1. 渋滞にはまっている間に食べられるものがほしい

 =運転しながらだから、両手では食べられない・・・

  1. サンドイッチなどこぼれる可能性があるものは嫌

こんなあたりが主な困りごとだとわかります。

だから、どんなにおいしそうなハンバーガーを用意したとしても、こぼれるかもしれないので、今回の女性が買ってくれる可能性は非常に低いのです。

では、どんな商品がよいのか?

例えば↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

スムージーが彼女の要望にはマッチするでしょう。

  1. 片手で食べることができ、運転できる
  2. ジュースと違ってねっとりしているので、めったなことではこぼれない

このように、困りごとに見事にマッチしています。そして、

  1. いろんな具材が入っているので、腹持ちがよいし、栄養素もいくつか摂取できる

というポジティブ要素が加わるので、今回のケースのような女性には売れる可能性が高いでしょう。

実際に大きく行動する前に、自分たちで問いを立て、ターゲットに対してインタビューを行い、どのような解決策なら、ターゲットの困りごとが解決できるのかを考えることが大切です。

工夫したこと

  • 40分間のオリエンテーションの中で、生徒が飽きないように前半説明、後半ワークショップという形をとった。
  • 体育館で実施したが、生徒に振り返りをロイロノートというiPad上のアプリを使って記入してもらい、教員が即時アンケートの集計結果や記述内容を見返せるようにした。

次回はチームキックオフ

次回はチームとしての活動がスタートするということで、「犯人探しゲーム」を通して、積極的なコミュニケーションをうながしたいと思います!

参加者のコメント抜粋

オリエンテーションをうけての感想をいくつか紹介します。

生徒からのコメント

  • 来てくれるお客さんがどういう人なのか、何に困っているのかなどという問いをたてるのは少し難しいけどそれ以上に解決策を出す方が難しいと思った。来てくれるお客さんに喜んでもらえるような解決策が思いついた時に自分も嬉しい気持ちになると思った。
  • 困っている人の意見を聞くことが大事。最初にやるのは、問いを立てることだと分かった。
  • カフェのメニューを考えるやつも面白くてたくさん頭を使えたのでとてもいい勉強になりました。これからの夢プロが楽しみになりました。
  • 相手の困りごとをいろんな視点で考えるのがとても為になった。斜め上の意外性のある発想でも解決に繋がる可能性があると思うとこれからの授業が楽しみになった。
  • 自分は、美味しいおにぎりとと言う案を出しました。しかし、おにぎりは、片手だと食べにくいし、食べていくと中の具がこぼれてしまったことがあったので、スムージーと言う手軽でこぼしずらい、なおかつ美味しいと言うお客さんの要望にしっかりと応えている商品ですごいと思いました。
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