【事例紹介】調査分析を踏まえて、アイディアを出そう(大河原建設、1年1組)

2024年6月21日(金)、島田樟誠高等学校の1年1組に企業の担当者様をお招きして、各班のグループワークに入っていただき、ビジネスミッションに関してヒントをいただきました。1組は大河原建設様のビジネスミッションを担当しています。

今回の実習先

学校名:島田学園島田樟誠高等学校 キャリア探究コース

目次

ビジネスミッションテーマ 大河原建設

島田市に高校生が集まる場所をつくろう

ビジネスミッションの流れ

  • 自分たち高校生が学校以外でどんなことをしているのか調べよう
  • 高校生にとっての島田市の魅力やイマイチなところは何か調べよう
  • 今までの分析を踏まえて、アイディアを出そう←いまここ
  • 大河原建設のリソースをつかって、実現できることを考えよう
  • いつ、どこで、どんなことをやる場所なら高校生が集まるか、具体的なプランを立てよう
  • 中間発表で優秀賞を決めてもらおう!
  • 優秀賞のアイディアをもとに、お試しで高校生が集まる場所を運営しよう
  • 高校生が集まる場所を広報しよう
  • 最終発表会で学習の過程と学んだことを発表しよう

今回の実習(1組)

授業内容 

今までの分析を踏まえて、アイディアを出そう

  1. 島田市の魅力を深掘りしよう
  2. 高校生が普段の生活でやりたいことをまとめよう
  3. 島田市の魅力を生かして、高校生のやりたいことを実現するアイディアを出そう

授業の流れ

1 島田市の魅力やイマイチを深掘りしよう

前回の授業で生徒たちは高校生にとって島田市の魅力的なトコロとイマイチなトコロを調べました。それらを分類すると下のような分類になりました。

魅力

  • 飲食店やコンビニが多い 

 高校生たちは、飲食店やコンビニが多いことを便利だと感じています。これにより、日常生活がしやすくなっています。

  • 自然が豊かである

 多くの生徒が、島田市の自然の豊かさ、特に茶畑や山の風景を評価しています。自然環境が美しく、空気もおいしいと感じています。

  • スポーツやレクリエーション施設がある

 ローズアリーナや河川敷(リバティ)の存在が挙げられ、多くの生徒が運動を楽しむことができるとしています。また、歩道橋や観光スポットも多く、家族で楽しめる場所が多いです。

  • 治安が良い 

 治安の良さもポイントとして挙げられ、安心して暮らせる環境であることが評価されています。

イマイチ

  • 交通機関の不便さ

 多くの生徒が交通機関の整備が不十分であると感じており、自転車や車がないと移動が難しいとしています。特に、公共交通機関の充実が求められています。

  • エンターテインメント施設の不足 

ショッピングモールや映画館、娯楽施設が少ないため、高校生が楽しめる場所が限られているとの意見が多くあります。これにより、若者の遊び場が少なくなっています。

  • 道路の整備状況

 道が狭く、舗装が不十分な箇所が多いことが指摘されています。これにより、安全性や快適さに影響が出ているとのことです。

  • ごみ問題と虫の多さ 

ポイ捨てが目立つことや、虫が多いことも不満として挙げられています。特に夏場はこれらが生活の質に影響しているようです。

この結果を振り返り、それぞれの場所のどんなところが魅力的なのか、どんなところに可能性があるのかを深掘りしました。

例:リバティ(河川敷)

無料で使えるマラソンコースがある。部活以外で自主練で体力づくりをしたい高校生にとって魅力的。川の音など自然の風景を楽しめる。

例:島田駅前

現在は高校生が訪れる場所がほとんどない。でも、バスや電車を待つ高校生がそれなりにいるようなので、ここに話ができる場所などができると高校生がもっと集まるポテンシャルがあると思う。

2 高校生が普段の生活でやりたいことをまとめよう

高校生420人を対象にとったアンケートを振り返り、彼らがどんなことを求めているのかをまとめました。

【アンケート集計の一部】

フォームの回答のグラフ。質問のタイトル: 学校帰りにコンビニにどれくらい行きますか?。回答数: 37 件の回答。
フォームの回答のグラフ。質問のタイトル: 休日に友達と何をして遊びますか?。回答数: 37 件の回答。
フォームの回答のグラフ。質問のタイトル: カラオケにはどれくらい行きますか?。回答数: 37 件の回答。

高校生が求めていること まとめ例

  • 平日

・自宅以外で勉強できる場所がほしい

・学校帰りに友達と話せる場所がほしい。憩いの場。

・学校帰りに寄り道してセノバみたいなショッピングモール行きたい。

 今は行くとしてもアピタしかない。

・学校帰りにカラオケ行って、友達と歌いたい。

  • 休日

・友達と一緒の空間でネットゲームができる場所がほしい

・家の近くに映画館がほしい

・外食の選択肢を増やしてほしい。新店舗。

3 島田市の魅力を生かして、高校生のやりたいことを実現するアイディアを出そう

これまでの活動を踏まえて、「こんな場所を島田につくれば高校生集まるんじゃないか?」というアイディア(仮説)をつくりました。

ただやみ雲に自分たちがほしい場所を考えるのではなく、島田市の魅力を生かしたり、伸びしろを生かすという視点を意識するようにしました。

アイディア例

  • 放課後にバス、電車の待ち時間がある人たちが気軽によれるようにいろんな目的で立ち寄れる場所を駅近につくる。
  • 高校生が入りやすい雰囲気で、別の高校に行った友達と気軽に話せる場所をつくる
  • 部活帰りで疲れている人たちが電車などに乗る前に休める、飲食ができる場所をつくる

当初運営側で予想していた「スポーツ施設の活用」はあまり出て決ませんでした。高校生のアンケートをみとっても、部活以外の時間で体力づくりなど運動をしている人がいなかったため、需要が見込めなかったのかもしれません。

次回以降

夏休みも使いながら、下のワークシートを用いて、高校生が集まる場所の企画書をつくっていきます。

この際には、まず、大河原建設の力を生かして、どんな施設をつくりたいのかという長期の目が必要です。また、実際にどれくらいの高校生の需要があるのか調べるために、どんなお試しイベントができるかという短期の目も必要です。

長期視点、短期視点、両方の視点をもって、高校生が集まる場所のアイディアをまとめていきます。

工夫したこと

  • 社員の方に各班と関わっていただき、生徒の思考の幅を広げていただいた。
  • 直感でアイディアを出すことに終始しないで、自分たちが調査したものやネットの情報などいろんなデータを元にして、アイディアをつくること。そのために、生徒が見やすい形にデータを加工した。

よかったこと

  • いろいろなデータをもとに、多角的な視点からアイディアを考えられた生徒がいたこと。
  • 自分から社員の方に質問をする生徒もおり、主体的な部分もみえたこと。

参加者のコメント抜粋

授業をうけての感想をいくつか紹介します。

生徒からのコメント

  • 島田市に必要なものを理解して、どんな人がどんな場所に集まりたいのかを班員みんなで考えることができた。
  • どんなものを作れば高校生などが寄るかなどを普段の学校帰りのことを考えながら場所などいろいろ考えることができました。
  • みんなが休日などにどうやって過ごすか少しわかった。次回はまとめたことをもとに島田に人を集める方法を見つけたい。
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